あなたの隣のシネフィルちゃん

映画について語っていきます。

2020-01-01から1年間の記事一覧

ウディ・アレンが最終編集権に拘る理由

自身の性的虐待疑惑によってなにかと周囲が騒がしいウディ・アレン。そんなウディ・アレンだが、彼は自身の監督した映画作品たちの最終編集権をデビュー当時から現在に至るまで保有し続けてきた。その権利を保有する理由とはなんぞや?というのが今回の話で…

『メメント』

断片的かつ非線形的な物語の映画、『メメント』。その主人公レナード・シェルビーの動力は妻殺しをした者への復讐心だ。元保険員のレナードは妻を強姦し殺した人物に取りつかれている。ある日、自宅に二人組の男が侵入する。目的はレナードの妻を強姦するた…

『バイス』

‪アラームが部屋中にけたたましく鳴り響き、人々が廊下を走る、テレビ画面には燃える世界貿易センタービル。アメリカ人ならだれもが慌てふためく光景だ。だが副大統領のディック・チェイニーはちがった。チャンスを見出していたのだ。権力の強化というチャン…

『エブリシング・マスト・ゴー』

セールスマンのニックは社会人かつ妻帯者でありながらアルコール中毒に陥っていた。それだけならまだよかったものの、酒に酔っ払って問題を起こしてしまい16年も勤めていた会社を解雇されてしまう。失意の中帰宅すると自身の所有物はすべて庭に放り出され家…

『13日の金曜日』(1980)監督・ショーン・S・カニンガム

1958年のクリスタル湖キャンプ。何者かの一人称視点で始まる。視線の先には情事にふける男女が。何者かが気付かれぬよう背後から近づいて惨殺…。時は流れて1980年。クリスタルレイク指導員候補生たちがクリスタル湖キャンプの再開準備のためにやってきた。そ…

『アス』

早稲田松竹にて『アス』を鑑賞しました。 結論から言うとロードショー中にも一度観ていて期待はずれだったのですが、もう一度観てもあんまり面白さがわかりませんでした……。実際3回観ていずれも何処かで寝落ちしてました苦笑 監督は『ゲット・アウト』でアカ…

『ランボー』と『一人だけの軍隊』

ベトナム帰還兵のジョン・ランボー(以下ランボー)は、グリーンベレー隊員時代の戦友、デルメア・ベリーの自宅を訪ねるが、化学戦の薬品の悪影響でガンを患い亡くなっていた事を知る。失意の中ランボーは小さな街ホリデーランドを訪れる。しかし踏み入った途…

『セブン』

『エイリアン3』という駄作を撮った監督、デヴィッド・フィンチャーが、映画史に残る傑作をつくりあげるなんて95年以前の人間に言ってもだれも信じないだろう。 連日雨が降り続ける。そんな憂鬱な街で刑事として働き退職間近の男がいる。ウィリアム・サマセ…

ロケットマン

キネマ旬報シアターにて『ロケットマン』の4度目の鑑賞を終えた。何度観ても面白い。第91回アカデミー賞4冠を果たした大作、『ボヘミアン・ラプソディ』を友人の前で何度もボロクソ言っていたこの私も、『ロケットマン』は非常に純粋な気持ちで楽しむこと…

『日本のいちばん長い日』のオリジナルとリメイクに見る天皇タブー

1965年、一冊の本が上梓された。半藤一利による『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』だ。その二年後にあたる1967年、岡本喜八の手によって映画化され公開された。ストーリーを主に三つある。 1945年の8月14日から8月15日の24時間内に起こった、クーデ…